人間の世界では昨今、世界各地で予期せぬいろいろなことが勃発しています。でも自然界は何があってもわたしたちの期待を裏切らず、季節の移り変わりをきちんと目の前に見せてくれています。こんな当たり前のことが有難いとしみじみ思う今日この頃、皆様いかがお過ごしですか?
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わたしはこの季節になると、ワシントンDCの桜並木を懐かしく思い出します。3月末からワシントンDCは桜祭りが始まります。あちらの桜はもともと友好のしるしとして日本から贈られたもの。ポトマック川沿いのタイダル・ベイスンという入り江のまわりは一面満開の桜で埋め尽くされます。この時期、桜が満開になるとスニーカーに履き替えて、近くの世銀のビルを抜け出し、オフィスの同僚たちとお昼休みの桜見物散歩に出かけたものです。日本だったらきっと桜の下にシートを引いてお花見の宴でしょうが、あちらは皆それぞれのペースで散歩して楽しみます。桜といえば古いお寺や木造の建物にぴったりの花というイメージは、入り江の水面と真っ白なジェファーソンメモリアルの建物に映える洋風バージョンを見てこれもまた似合う!と思いました。でも桜を見るとやはり日本を懐かしく思ったものです。桜は咲き方も散り方も潔くて本当に素敵です。
4月は新学期、入社式など”はじめての”という行事がたくさんあり、なんだか気持ちが切り替わりますね。東京のOL時代はこの時期、慣れないスーツをきてどこかぎこちなく出社してくる新社会人を見るたびに昔の自分を思い出し微笑ましく感じました。そうは言っても今年も就職浪人やはじめから定職に就かない人も増えているようです。以前は卒業と同時にどこかの組織に吸収されて、歯車の一部になると社会人になったという実感がありました。毎日定時に行く場所があると安心したものです。でも時代は変わりました。会社員として組織の一部になる人もいいけれど、はじめからどこにも属さず自分の生き方を目指す人が増えていくのもいいなあと思います。それにはちょっと勇気が要りますが・・・。”起業家”という考え方はまだ日本には浸透していませんが学生時代に起業のための研修などがあれば、一部上場の会社に入れなかったからといって嘆くこともなく、同士を募って新しい分野に乗り出していく若者も増えるかもしれませんね。仕事がなければ、仕事を作るという意気込みが大切です。あるとき、高校の先生方とお話をしていました。その地域では地元に残る人、東京に出て行く人それぞれでしたが、高校は出ても仕事がない、仕事に就けない割合が増えてきたと話されていました。そこで「仕事を自分ではじめると考える人はいますか?」というわたしの問いに先生方は一瞬引いてしまわれました。そんな考えは毛頭ないといった感じです。仕事はもらうもの、配属されるもの、という考え方が一般的ですから、仕事は造るものというプロアクティブな考え方はびっくりでしょう。でも高校卒業したら、それぞれ工夫を凝らして自分の世界を作り上げていったら社会はもっと面白くなりますね。
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そういえば、ひところ前、SOHOという考え方がアメリカから入ってきました。スモールオフィス、ホームオフィス(小さなオフィス、自宅のオフィス)ということです。これはこれからの時代にあった”人に優しい仕事の形態”ではないかと思います。満員電車に何時間も揺られて通勤する、遅くまで付き合って残業するのは大変です。自分のライフスタイルに合わせて、仕事も形態を自由に変えることができればもっと人間らしい毎日が暮らせるのです。でも以前のわたしはずっと「それは無理」、「それは良くない」とどこかで思い、時間に制約される生活をこなしていくことがいいと思っていたのですね。それはそれで立派な生き方です。ただしたいことや夢を随分犠牲にしていたことにも気付きます。現代の仕事探しは「何が出来るか、ではなく、何がしたいか」をもとに考える必要がありますね。折角の人生、したいとおもったことをしっかり手にして楽しみたいものです。
先日、小学校から高校までの12年間一緒に学んだ大切な友達が卒業していきました。人生の旅を終えたのです。長い間、痛みとともに歩み耐えてきた友人でした。わたしがワシントンDCに住んでいたころ、彼女はだんな様の転勤で近くのニューヨークへ。一度など、ニューヨークからもワシントンDCからも車で3時間半のランカスターという町で落ち合いました。そこはアーミッシュといわれるキリスト教の一派の人たちが200年前と同じような生活をしている土地でした。同じ時代に、テクノロジーの進んだニューヨークやワシントンDCに住むのと、ランカスターで昔ながらの馬を使う農業に従事し、電気や電話のない生活をするのとどっちが幸せなんだろうなんて話したことを思い出しました。訃報を聞いて、彼女を送るために集まった友人たちも一様に大きなショックを受けたようです。でも同じ年齢の友人が卒業していったことで人生を今一度深く考え直してみる良いチャンスになりました。したいことを犠牲にして「いつか」「そのうちに」と言い訳して生きるのか、自分が本当にしたいことをするためにまい進するか・・・・。彼女から私の心に届いた無言の最後のメッセージは「人生には限りがあるもの。一日一日を大切にしっかり生ききって、そしてしっかり楽しんで!」でした。それを受け止めて涙は止まりました。 悲しみと喪失感が希望に変わった瞬間です。「そうだ、人生は期間限定。したいことをしっかり手に入れて納得して毎日を過ごしていこう、自分を楽しませ、喜ばせることに手を抜かないで!」 です。そう思ったら、桜の花の色が一段とあざやかに華やかに見えました。桜のようにしっかり花を咲かせ、生ききり、潔く散って生きたいものです。
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4月もお互いしっかり生ききって楽しんで暮らしていきましょう。 |
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中野裕弓
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