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中野裕弓
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今年は相次ぐ天災で被害が続出しています。 台風、水害、そして現在もまだ続いている地震の被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。まさか自分には災害が起こらないだろうなどという中途半端な思いはどこにも根拠がないことを思い知らされます。 

新潟中越地震では余震がこんなに長く続くなんて思いもよりませんでした。被災された方々は今までの生活環境を取り上げられ、復興に着手できないどころか、避難所生活で数々の制約の中、精神的にも追い詰められていらっしゃることでしょうと本当に心が痛みます。 物資だけでなく、心のケアのサポートも必要なこととお察しします。 新潟に住む友人と、近い将来、心のケアカウンセリングでなにか現地でお手伝いが出来ないかと模索しているところです。何かいい案があったら教えてください。

世の中には天変地異、世界情勢の変化で簡単に変わってしまうものと、何が起こっても変わらないものの二つがあるような気がします。まわりが刻々と変わっている中にあると、気持ちばかり焦り、ストレスが増します。 そんなときは“変わらないもの”に注目しそれをしっかりつかんでおくと目が回りません。 バレリーナが舞台の上で何度も回転するとき、いつも同じところだけを見るようにしていると目が回らないのと同じです。その“変わらないもの”って何でしょうか。 

私の思いつく3つの大きなものは・・・・

世の中にある目に見えるものはすべて刻々変化し、同じ姿をとどめるものはないという真実 (外から見ると全く変化なしに見えても刻々風化しているのですね)
その反対に、目に見えない心の世界、領域は何事にも変化しない普遍の心理がはたらいているということ

世の中に生を受けた私たち人間は確実に人生の卒業(死)に向かって毎日歩んでいるという事実 (世界中、どこでどんな生活をしていても、いつかは“お迎え”がくるということですね。)

人生の途中は、私たちはそれぞれが必死に“幸福感“を求めて歩んでいる。 
でも、何をもって幸福と感じるかは人それぞれ違うということ。

これは以前、人事担当者としての経験です。会社の経営状態が思わしくなくなると、毎日職場で飛び交う雑多な情報、推測、うわさの中で社員の不安は募る一方、会社の雰囲気も社員のモラルも低下してしまいます。 その混沌の中で、変わりゆくものに目を向けていると目が回り自分を見失いストレスで押しつぶされそうになります。 そんな時は、「変わらないものに目を向けていてくださ〜い!」と叫びたくなりました。 

ある人の場合は人と人の真心の関わり、愛、家族の大切さに気づきました。 順風満帆な人生だったら気がつかなかったかもしれない身近な人との心通う付き合い方を見つめなおし、その後の人生の質が高まったという人もいました。 またある人は自分の本音に忠実に生きたいと思う心を見つけ、逆境に陥ったことで真の幸せに早く気づいたという人もいました。 すべてを失って初めて自分の心の本当に求めていたものが見えたというのです。 また見えるものすべては同じ姿をとどめないと知っただけで気が楽になったという人もいました。 

人生をひっくり返すような出来事が起きたときは、現実としてはとっても辛いけれど、別の見方をすれば人生の優先順位をリセットするチャンスなのかもしれません。 宝くじが大当たりしたら簡単に手に入るものを手に入れるのに血道をあげているより、大金や権力を手に入れたとしても手に入らないものに注目してみるチャンスかもしれません。 


≪ピラミッド崩し≫ 

わたしたちは毎日の経験、体験の中で人生の処し方を学習しています。 それぞれの考えに基づいて一人ひとりが自分のピラミッドのレンガを積んでいると想像してください。 失敗と思えることをしてところどころレンガが飛び出して積まれてしまうと、そこで小さな修正がなされ、またきれいにピラミッド積みが始まります。でも人生の歩む道には時にはそんな小さな修正では到底間に合わないほど、ピラミッドの形が歪み、がらがらと崩れだすことがあります。

それはさまざまなことがいっぺんにやってくるのでわかります。例えば災害、リストラ、財産を失う、破産、離婚、大切な人の死、事故、他人の中傷誹謗、病気などなど。 そんな時は覚悟してください。それはその人の人生に数回しかやってこないピラミッド崩しの時期なのですから。一生懸命修復しようと躍起にならず、もう開き直って宇宙や神仏の手に「お任せ!」と委ねてみてください。そして今まで築き上げたものが、目の前でガラガラ崩れていくのを見守ってください。 そして土台まですっかり崩れてなくなったとき、あなたに次のピラミッドの土台が見えてきます。 その土台は前のピラミッドの土台よりもはるかに大きいものになっているはずです。

とはいえ、ピラミッド崩しのときは「神は私を見放した!」と絶望的になるときがあるでしょう。わたしにもそういう時がありました。 若い頃すんでいたイギリスで見つけた詩、いつもご紹介している“浜辺の足跡”の詩がその時私の渇いた心のひだを潤してくれたことがありました。 これを読んでくださった方にもお役に立てばと思い、ここにもう一度付記しますね。ピラミッド崩しの真っ最中の同士の皆様、「一人じゃない」って思ってください。 わたしたちも、神様も応援しています。 どうぞご自愛くださいませ。

 
愛をこめて   裕弓
 
 
浜辺

浜辺の足あと

ある日 わたしは夢を見ました
浜辺を神と共に歩いている夢を
海の向こうの大空に
わたしの今までの人生の光景が
はっきりと映しだされ
どの光景の前にも浜辺を歩いている
神とわたしの二組の足あとがありました

最後の光景まできたとき
振り返って見ると ところどころ
足あとがひとつしかないことに気づきました
そしてそれはいつもわたしが苦境に落ちて悲しみに
打ちひしがれている時でした

わたしは神に尋ねました
「いつもわたしのそばにいて下さると約束されたのに
どうしてわたしを見放されたのですか」

神は答えておっしゃいました
「わたしの大切ないとしい子よ
わたしは決してあなたのそばを離れたことはない
あなたが見た一つの足あと
それは
苦しみや悲しみに傷ついたあなたを
そっと抱きあげ 歩いた
私の足あとなのだ」と


作者:  M.Powers
中野裕弓訳
 
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